カテゴリ:食物科実習
食物科 船舶調理実習
11月24日(木)25日(金)の2日間、食物科2年生3人と3年生5人が実習船海翔に乗船して船舶調理実習を行いました。一緒に乗船した食物科の先生が撮ったスナップ写真から今回は紹介します。
いよいよ、乗船。1泊分の荷物を抱えてワクワクしながら船内へ。
まずは、食堂兼学習室に集合して海洋生産科の先生から「船内生活の基本」を教わりました。
船に乗ったら、まずは自分の寝床を作ります。 シーツを手にベッドメイキングの説明です。 いつもの調理実習で事前説明を聞くのと同じ真剣さを感じます。
狭い船室もみんな一緒だと楽しい我が家!
操舵室を初体験。
最高の船舶調理技術を持つ司厨長から直々の説明。真剣なまなざしです。
学校の調理室とは勝手が違いますが、テキパキと調理が進みます。
船内の調理場。司厨長の指示を受けながら緊張の実習です。
「ウムウム、いいぞぉ。」
夕食は3年生の担当。
鶏の南蛮揚げ。ナスの煮びたしやポテトも添えてボリューム満点。
「最高!」の船内ディナータイムでした。
そして、翌朝、朝食担当は2年生。 あんまりにもおいしくて、朝からおかわりする人が続出。
名残を惜しんで下船した生徒たち。 司厨長から「本船の司厨員として働いてくれ!」とスカウトされた生徒も。
本当は、乗船後すぐに沖だししてイカ釣り体験&釣ったイカ調理も計画していたのですが、荒天高波のため今回は港内に停泊したままの実習でした。
沖には出られなかったけれど、2年生にとっても3年生にとっても最高の船舶調理実習でした。
フランスのこころ、日本のこころ
昨日はフランス料理講習会。ヨーロッパの歴史の中で培われてきたフランス料理の基本を静岡県のホテルの料理長から教わりました。シェフはもちろん本校の卒業生です。
今日は、日本を代表する料理「にぎり寿司」講習会。県内でも、全国的にも人気の市内寿司店のご主人に教わりました。もちろん本校の卒業生。
見た目も作り方も全然違いますが、素材を大切にし、食べる人の気持ちを考えておもてなしする点は全く共通しています。 その道のプロ、しかも先輩に教わった生徒たちは一段と自分がプロの料理人になることに現実味を感じたのでした。
サーモンのフィレンツェ風 の食材。 もちろん「みやこトラウトサーモン」です。
さあ、この日本の野菜たちは・・・・ フィレンツェとマセドワーヌサラダに変身します。
シェフの模範調理を見ながら、説明を聞き漏らさずにレシピにメモを加えます。 「ナツメグは今日は粉末を使いますが、手に入ればホールのものをミルして使うと一段とおいしいです」・・・・メモ、メモ
メモする姿は真剣そのもの。
湯がいたほうれん草をバターでソテー
マセドワーヌサラダにはマスタード、白ワインビネガー、そして手作りマヨネーズも使います。
さあ、オーブンにIN。
このメニューはフランス料理の基本的なものだそうです。
(生徒)「今までで、一番大変だった料理は何ですか?」(シェフ)「う~ん。 簡単と思ったことはありません。すべてが大変かもしれません。常に勉強だと思っています。」「5年、10年は本当につらいことの連続でした、10年たってやっと自分なりに出来るようになってきたかもしれませんが、いいかどうかはお客様が判断します。そのためには時々フランスに行って自分の料理が正しいのかどうか確認しています。」 さすが、料理長。
さあ、こちらは寿司講習会。 ご主人が目の前でテキパキと新鮮な魚を冊にしていきます。 「皮を引いたらまな板に臭みが着くので洗ってください」 「はいっ」アシスタントはマナ板洗い中。
今日のネタ、まぐろ、ぶり、ヒラメ、ホタテ、タコ、蒸しエビ、いくら・・・このほかに卵焼きも。 卵焼きには出汁をきかせていて、各店オリジナルのこだわりと技術があるのだとか。
手ほどきを受けて、軍艦巻きも作ります。
「自分は家でもやってますから慣れてます」って。余裕。
見ていたところ、わさびの量はみなさん控えめかな?
準備した寿司飯とネタを使い切るまで、どんどん握りました。
立派なにぎり寿司1人前!
もちろんごちそうになりました。 生徒もみんな喫食しました。 さあ、寿司屋の握りと、今日の握り、ご主人の模範握りと、自分の握り、違いはどうだったでしょうか。 プロ並みには出来ていないかもしてませんが高校3年生の握りとは思えないおいしい立派なにぎり寿司でした。 家で握ったら、家族全員絶対満足しますぞ。
1級検定練習のちマーボーラーメン
調理実習室の方に向かってみると、何やら刺激的な匂いが廊下を漂っています。
たどり着いたらそこには、ぐつぐつ煮えたぎる真っ赤なスープが。 そして、食欲をそそる刺激臭。
話を聞くと、「今日は、1級検定の練習(大根のかつらむき)をした後、大根を使った料理と麻婆みそラーメンを作っています」の返事が。
トッピングの肉そぼろにも豆板醤と甜麺醤で甘くてそれでいてあとから辛みが来る仕掛けが。
辛さは、班ごとに決めて作っているそうです。
「辛みそぼろ、もっと入れちゃえ!」「全部入れちゃおうよ!!」「えぇ~っ」
む~ん 素晴らしい仕上がり。 水高祭での水高潮騒ラーメン(海鮮ラーメン)とはまるで違うワイルドな仕上がりです。
仕上がりに満足「いえ~いっ」 麺がのびる前に今日はすぐ喫食だ。
ちなみに、かつらむきで使用した大根の薄い部分は千切りにして大根サラダに、芯の部分は牛肉と煮込んで副菜になっています。
検定のシビアな練習から、超ウマそうなラーメン作りへ。 今日の実習も満足げな生徒たちでありました。
水高ラーメン
今日は何を作っているのかな?と調理室に行ってみると。
いつもとなんだか雰囲気が違います。 みんなで忙しそうにしているのではなく、スタンバイはしているけれど何かを待っている感じ。
朝の段階では、大量の煮干しの頭むしり。(私)「だし用ですか?」(生徒)「はい。これからスープ作りです。」
頭とはらわたをむしった煮干がどっさり。 朝の訪問はここまで。
お昼前に再び行ってみると・・・・ 食物科3年生、持ち場についてお客さまが来るのを待ち構えています。
スープもばっちり。食物科2年生がお客となり、いまから大勢で食べに来るとのこと。今日のメニューは「水高ラーメン」水高祭で不動の人気メニュー。お父さんお母さんもおじいちゃんもおばあちゃんもン十年前に食べたのでは。
刻みネギを1人前ずつに分けていた係に先生から指示が飛びます。集団給食実習でたくさんの食事を作った経験はありますが、ラーメンとなると麺が伸びるので作り置きはできません。たくさんのお客様が来た時にいかに迅速にお出しするのかが求められます。
って、2年生が押し寄せる前に、私の分1人前を作ってくれました。「校長先生、麺ゆでは自分にまかせてください!」わずか1分のゆで時間、手際よく面をゆでてくれました。 ばっちりのゆで加減でしたぞ。
大勢来たら、まさに調理場は戦場。今日はその予行練習です。
スープ良し! はいっ麺投入! すかさずホタテ、エビ、かまぼこ、わかめ、ふのり、刻みネギ と1品1名のポジションで流れるようにトッピング。
ハイッ、おまちどうさまでした。 ゆで初めから出来上がりまで3分かかっていないのでは。
海鮮塩味水高ラーメン。 ホタテがボンッと主張して、エビやふのりと磯のハーモニー。
む〜んっ。いつもながら、最高のおいしさです。満足。
もう少し、もう少しだけ、と思いながら結局スープも全部いただきました。それほど美味しいスープです。
今年は3年ぶりに水高祭大食堂開設。残念ながらコロナ対策でお客様は生徒と同居のご家族のみのご招待です。
また、コロナ前のように一般のお客様にこのおいしさを味わっていただきたいと切に願っています。
飾り寿司
食物科3年生、今日は飾り寿司の練習でした。デザイン巻きずしです。
出来上がりをイメージして、各パーツをまず作り、それらをバランスよく配置しながら巻きすで固めます。
今日が2回目の練習ですが、まだまだみんな苦戦中。切ってみて初めて分かる仕上がり具合。楽しくておいしい巻き寿司作りが展開しました。
各パーツをまず作り
順番に配置しながら酢飯を盛りつけ
さあ、厚みはこんなものかな?
じゃーん。ハロウィーン巻き寿司。
生徒一人ひとりが異なるデザインに挑戦中。伝統的な和風デザインを作る人がいればキャラクターを作る人も。隣の人と同じにはできません。出来上がりは自分次第。
(私)「作るのも、見るのも、食べるのも、楽しそうでいいですね」(生徒)「いやあ、本当に大変です。」
みなさん、苦労しながらもいい出来具合だと思います。次は更にうまくいきますよ。いつものようにみんなが同じレシピで調理するのではなく、自分のセンスが磨かれる実習でした。 がんばれ、3年生!
水高ランチ
調理室を覗きに行くといつもに増してあわただしく動いている気が・・・
担当の先生に聞いてみると、2年生が伝統の学校祭大食堂の人気メニュー「水高ランチ」に初チャレンジしているところでした。
オニオンリングの衣作り(フリッターだったかも・・)。しっかりと計量します。
ピラフ、チキンフリッター、付け合わせ野菜、コンソメスープの具材・・・ 調理の前に食材をすべてそろえて下準備。
いちいち先生には聞きません。レシピを見て次々と調理を進めていきます。
エビの背ワタ取りも丁寧に。
オレンジの飾り切りにもゆとりが感じられるようになりました。
ウムウム いいですねぇの図
完成した「水高ランチ」。コロナ前の水高祭大食堂はいつも大混雑。飛ぶように出る人気のメニュー。
昨年、一昨年と校内開催のみだった水高祭ですが今年は生徒の家族限定で公開します。
はるか以前の先輩から作り続けた水高ランチ、3年ぶりに食べていただきます。
今年は限定開催ですが、新型コロナ感染症が収まったら、また以前のように一般公開の水高祭で多くの皆さんに御提供したいものです。
バラン切り実習
さあて、今日の食物科はどんなおいしい料理を作っているのかな?と調理室に行ってみると「シーン」として無人。あれっ?
ホームルームをのぞきに行くと、ホームルームも「シーン」・・・・・ でも、室内には熱心にバランきりをする生徒たちが。 皆さん見事に集中していて、まるで物音もありません。 下絵を人工バランに貼り付けて真剣にバラン切り実習をしている最中でした。ちなみに、バランは料理に彩りと雰囲気を添える小物です。料理人の器用さとセンスが問われます。(人工バランと言うからには本物の葉っぱもあります。それは葉蘭(はらん)です。いつか、本物の葉っぱにも挑戦して欲しい気がします。)
声をかけるのもためらわれましたが、聞いちゃいました。(私)「すごい集中していますね。難しい?」
(生徒)「ひゃ~っ 難しいの選んじゃったかもしれません!」
難しいと言いながら、みなさん楽しそうに作業に集中していました。
一言も発せず、全集中! どんな作品ができあがるのか期待です。
前方の黒板には先輩の作品がずらりと展示されています。毎年水高祭で展示するのですがいつも素晴らしいできばえです。
先輩の作品を見て、「自分たちにもきっと出来る」とみなさんそれぞれ不安と期待の入り交じった心境でバランを作り始めた初日の実習でした。
食物科課題研究発表会
今日は食物科の3年生が課題研究の発表をしました。今年度の食物科は6つの研究班に分かれて課題研究を進めています。①乳幼児の食事や食育について ②食品ロスとコンポストについて ③食物アレルギーと代替食品について ④高齢者や病気のある人の食事について ⑤製菓の研究 ⑥食文化について が各班のテーマです。
課題を発見し、課題解決のための研究をし、研究結果を発信する。 思い通りの結果が出なくても、研究の過程と失敗の体験も大切な成果です。 同じクラス内での発表でもマイクを持つ発表者の緊張が伝わりました。
今回は大スクリーンではなく、各自のPCで画像を見ます。
コンポストを活用した野菜での調理、高齢者用食事、製菓・・・・ 考えてみると今年の4月から、見学に行くたび相当味見をさせていただきました。なつかしい。
他の班の研究成果、発表の仕方も勉強です。今回は視聴する方も「発表態度」「声の大きさ」「スライドの見やすさ」「発表内容」「役割分担」の5項目について評価しました。
先生から教えてもらうだけの受け身の姿勢では未来を切り拓くことはできません。自分で考え、仲間と相談し、解決に向けて臨機応変に研究を進めていく。
文字にすると難しそうですが、各班しっかりとその内容に取り組んできました。 切り拓け、自分の未来!! ほんとうによく頑張っています。
調理師として災害時にできること
食物科1年生、今日は災害時炊き出し訓練を行いました。
食事はどんな時でもたくさんの人を笑顔にできます。調理師として災害時にできること。東日本大震災では停電が続き何日間も電気が使えませんでした。電気がなくてもご飯を炊いて、おいしい食事をたくさんの人に提供することを練習しました。
ご飯を炊くのに炊飯器は使いません。
沸騰したお湯に、水に浸したお米を一気に投入。この方法を「湯炊き」と言います。
こちらは、ポリ袋にお米と水を入れて沸騰したお湯に投入しています。この方法を「湯せん炊き」と言います。
煮込む時間は約30分。袋に入ったお米が炊き上がっていきます。袋に入っているので、炊き上がったご飯をそのまま衛生的に皆さんに配給できます。
熱い豚汁も元気のもと、1年生にとっては初めての大量調理。40人分を大鍋で作りました。
避難時だったら、ほんとは私が並ばなければならないのですが、今日はわざわざ持ってきてくれました。
作った感想を聞いてみると「意外に簡単にご飯が炊けて驚きました」「うまくできました」「豚汁はこんなにたくさん一度に作るのは初めてだったので大変でした」と3人とも手ごたえを感じていました。
温かい豚汁、湯炊きで炊いたご飯わかめふりかけ入りおにぎり、そしてポリ袋は湯せん炊きご飯。しっかりおいしく出来上がっていました。
11年前の3月12日、大震災の翌日に避難所でありがたくいただいたおにぎりを思い出しました。
非常時でも周りの人に美味しい食事をふるまえる。食物科の皆さんがそんな調理師に育っていくと大いに感じた食事でした。
なんておいしい豚汁なんだ!!
食物科2年生、今日は何を作っているのかと調理室を覗きにいってみると。
無心になって大根のかつらむき。声をかけるのもはばかられます。
調理台の上の材料を見ても??? 大根、肉、シメジ、にんじん、ニラ、こんにゃく、キュウリ、みそ・・・
作っていたのは「豚汁」
そして「大根と牛肉の炒め物」 かつらむきの薄い大根と牛肉、ピーマンの炒め物。醤油味でそれぞれ相性抜群の大根炒めです。
ワカメと蛇腹切りキュウリのつけもの。キュウリには1ミリにも満たない細かい切れ込みがたくさん入って独特の食感と味の染み。ショウガがアクセントでGood!
かつらむきの最中も、このなべが「カタコトカタカタ プシュ プシュ カタカタカタコト」賑やかに湯気を上げています。
炊飯器を使わずに、鍋を使ってガスの直火でご飯を炊いていたのです。(私、自分のキャンプでの度重なる炊飯失敗を思い浮かべながら)「すごいですね、直火で炊いていて失敗しないんですか?」(生徒)「はい、大丈夫です」 (私)「炊き上がりは、やっぱり音と吹き上がりと匂いですか??」 (生徒)「イエ違います、時間と火加減です。」 な~るほど、レシピどおりというやつですな。 (別の生徒の名誉のために、「吹き上がりとかも見てます。たまに失敗しますけど。」って横で言ってました) うっすらお焦げが出来ていて、本当に甘くてふっくら最高においしいご飯が炊き上がっています。
豚汁をよそって。
「校長先生、どうぞ召し上がってください」って。じゃ~ん、感激。
この豚汁、実はとても白いのです。これまで食べたことのない甘みとすごいコク。最初、白味噌?それだけでこんなにコクと甘みが出るのかな・・・?
なんでこんなにおいしいの?
種明かしは「練りごま」だそうです。たっぷり練りごま(白)入りの豚汁。 私にとっては初体験。 「こんなの食堂で出されたら、一発でとりこになってしまう」皆さんにもぜひ味わって欲しいおいしさです。 作り方は、食物科2年生に聞いてくださいね。
そうそう、配膳してくれた男子生徒に卒業後の進路を聞いてみると「宮古市内で料理人」って答えてくれました。是非このメニューを君の店で出してください。私は常連第1号だ。