学校ブログ
調理師として災害時にできること
食物科1年生、今日は災害時炊き出し訓練を行いました。
食事はどんな時でもたくさんの人を笑顔にできます。調理師として災害時にできること。東日本大震災では停電が続き何日間も電気が使えませんでした。電気がなくてもご飯を炊いて、おいしい食事をたくさんの人に提供することを練習しました。
ご飯を炊くのに炊飯器は使いません。
沸騰したお湯に、水に浸したお米を一気に投入。この方法を「湯炊き」と言います。
こちらは、ポリ袋にお米と水を入れて沸騰したお湯に投入しています。この方法を「湯せん炊き」と言います。
煮込む時間は約30分。袋に入ったお米が炊き上がっていきます。袋に入っているので、炊き上がったご飯をそのまま衛生的に皆さんに配給できます。
熱い豚汁も元気のもと、1年生にとっては初めての大量調理。40人分を大鍋で作りました。
避難時だったら、ほんとは私が並ばなければならないのですが、今日はわざわざ持ってきてくれました。
作った感想を聞いてみると「意外に簡単にご飯が炊けて驚きました」「うまくできました」「豚汁はこんなにたくさん一度に作るのは初めてだったので大変でした」と3人とも手ごたえを感じていました。
温かい豚汁、湯炊きで炊いたご飯わかめふりかけ入りおにぎり、そしてポリ袋は湯せん炊きご飯。しっかりおいしく出来上がっていました。
11年前の3月12日、大震災の翌日に避難所でありがたくいただいたおにぎりを思い出しました。
非常時でも周りの人に美味しい食事をふるまえる。食物科の皆さんがそんな調理師に育っていくと大いに感じた食事でした。
今日のりあす丸
ハワイ沖遠洋航海に向けてりあす丸は着々と準備中。
どっしりと岸壁に横付けしているりあす丸。いつ見てもカッコイイです。この船で50日と少し、遠洋航海に出かけます。
遙か彼方の太平洋で、でっかいマグロやオキゴンドウ鯨やヨシキリザメにアカマンボウ・・・陸の生活では絶対に目にしない生きた魚たちに出会えるのは水産高校の特権です。
作業の様子を見に行くつもりが、行ったときにはちょうど片付けも終わって休憩中。談笑中の乗組員の皆さんに聞いてみると、今日は釣り元準備(マグロ針とテグスの連結)をしていたそうです。そしてこの後は甲板部機関部に分かれて航海前の整備と準備。
色つきテグスにスコップ。操業中の必需品。
海洋観測用のワイヤーは昨日交換したところ。ピッカピカの新品を2000m巻いています。
生徒たちは、洋上でSTD(Salinity Tenperature Depth)という観測機械を使って1000mまで深さごとの塩分・水温を観測します。
ハワイ沖の洋上では、気温27℃、表面水温28℃などと暖かくても、メバチマグロたちが好んで泳いでいる水深100m~200m付近では水温10℃ちょっと。 様々な洋上ポイントで科学データを蓄積していきます。
昔の船頭様はすべてのデータを頭にインプットして大漁する。これからの漁業者は電子データ(ビッグデータ)を駆使して魚を獲る。科学的漁業(スマート漁業)の時代です。
温暖化とか異常気象とかこれまでの常識が通用しない今の時代、その都度変化に対応しながら魚を計画的に獲る技術を生徒たちは身につけます。
海洋生産科2年生と専攻科1年生、出航は9月13日(火)の予定です。
各部大会間近です
秋は新人戦の季節。太鼓部は年に一度の郷土芸能発表会。放課後ぐるりと歩いてみると、どの部も練習に熱が入っていました。
ボクシング部一年生。大会規定でこれまで試合に出られませんでした。新人戦がデビュー戦。選手も顧問の先生も連日汗びっしょりで練習に励んでいます。
柔道部、昨年度は3人制で優勝。人数は少ないのですが、一人ひとりが自己修練。常に前向きな部員達です。
全国大会常連となっている太鼓部。1年生部員も様になって、迫力アップ。この団結力なら今年も全国狙えるぞ!!
どの部も人数不足が悩みの種ですが、部員たちの連携は本当に素晴らしいです。教室での勉強も大切ですが部活動で得た精神力と、ともに練習した仲間たちは一生の宝物だと思います。がんばれがんばれSUIKO!!
なんておいしい豚汁なんだ!!
食物科2年生、今日は何を作っているのかと調理室を覗きにいってみると。
無心になって大根のかつらむき。声をかけるのもはばかられます。
調理台の上の材料を見ても??? 大根、肉、シメジ、にんじん、ニラ、こんにゃく、キュウリ、みそ・・・
作っていたのは「豚汁」
そして「大根と牛肉の炒め物」 かつらむきの薄い大根と牛肉、ピーマンの炒め物。醤油味でそれぞれ相性抜群の大根炒めです。
ワカメと蛇腹切りキュウリのつけもの。キュウリには1ミリにも満たない細かい切れ込みがたくさん入って独特の食感と味の染み。ショウガがアクセントでGood!
かつらむきの最中も、このなべが「カタコトカタカタ プシュ プシュ カタカタカタコト」賑やかに湯気を上げています。
炊飯器を使わずに、鍋を使ってガスの直火でご飯を炊いていたのです。(私、自分のキャンプでの度重なる炊飯失敗を思い浮かべながら)「すごいですね、直火で炊いていて失敗しないんですか?」(生徒)「はい、大丈夫です」 (私)「炊き上がりは、やっぱり音と吹き上がりと匂いですか??」 (生徒)「イエ違います、時間と火加減です。」 な~るほど、レシピどおりというやつですな。 (別の生徒の名誉のために、「吹き上がりとかも見てます。たまに失敗しますけど。」って横で言ってました) うっすらお焦げが出来ていて、本当に甘くてふっくら最高においしいご飯が炊き上がっています。
豚汁をよそって。
「校長先生、どうぞ召し上がってください」って。じゃ~ん、感激。
この豚汁、実はとても白いのです。これまで食べたことのない甘みとすごいコク。最初、白味噌?それだけでこんなにコクと甘みが出るのかな・・・?
なんでこんなにおいしいの?
種明かしは「練りごま」だそうです。たっぷり練りごま(白)入りの豚汁。 私にとっては初体験。 「こんなの食堂で出されたら、一発でとりこになってしまう」皆さんにもぜひ味わって欲しいおいしさです。 作り方は、食物科2年生に聞いてくださいね。
そうそう、配膳してくれた男子生徒に卒業後の進路を聞いてみると「宮古市内で料理人」って答えてくれました。是非このメニューを君の店で出してください。私は常連第1号だ。
PTA全国大会2日目
PTA全国大会2日目、今日も午前中リモート参加。記念講演ではファミリーマート澤田顧問のお話を拝聴しました。
若くして事故で父親を亡くし、喪主を務めた氏は田舎の1教員であった父親がものすごく多くの人から感謝されていたことを知り、人生の転機になりました。 「死んだときに人間の価値がわかる」「人のために尽くす」「現場を最重視して理解する」「強い者・賢い者が生き残るのではなく、変化する者が生き残る(ダーウィン)」等々、生徒に伝えたいこと、親にわかって欲しいこと、教師として見習いたいことがとてもたくさんありました。
コロナ禍でも参集とリモート併用で開催した石川県PTA連合会の皆様、ありがとうございました。来年は宮城県仙台市で開催です。
終わってみて、早速今日から、さらに頑張る気持ちになりました。自分の利益のためでなく、少しでも人に感謝される人になれますように。
宮古トラウトサーモンでした
昨日、おいしいおいしいと食べた「鮭のムニエル」 脂がすごくのっていて、もちろん昔の養殖魚のような独特の臭みなんか全く無く、皮はパリッと身はほくほくした食感。
はは~んと頭に浮かんだのは「ノルウェーサーモン」 昨日のブログでも「ノルウェーサーモン?(間違ってたらごめんなさい)」などと書いたものの、帰りの車を運転中「待てよ、もしかしたら高級な宮古トラウトサーモンかも!」と気になり始め、今日担当の先生に確認しました。 結果、何と宮古が全国に誇る「宮古トラウトサーモン」でした。宮古にいながら、宮古が力を入れているのを知っていながら、水産高校にいながら、間違えた自分にショック。
チリよりもノルウェーよりも、サーモンは宮古! 今度から間違えないように、もっとどんどん宮古トラウトサーモンを食べまくることを宣言します!!
PTA全国大会はリモートで
今年のPTA全国大会は今日と明日、石川県金沢市で開催。 コロナでなければPTA会長と一緒に会場参加して全国のお話を聞いて、金沢の街を見学するのですが、残念ながら今年はリモートでの参加になりました。
PC画面ではじまりはじまり。
会場の「いしかわ総合スポーツセンター」から中継です。
手話通訳もついて、開会行事。
見てのとおり、会場は2階席まで埋まっています。 相当数の人がリモート参加になっていてもこの人数が参集。
本来ならすごく大きなイベントです。
今日の基調講演は「新時代の進路選択(正解のない時代に、どう未来を選択していくか)」です。今の高校生がこれから生きていく社会は私たちが生きてきた社会とは明らかに違ってきています。
私たちは、自分の通ってきた道を「正解」とするのではなく、今の世界、これからの世界を理解して子どもと関わり合っていかなくてはなりません。
考えて決断するのは生徒です。私たち親と教員はアシストです。精一杯状況を理解して、子どもたちを信じて成長を応援しましょう。
久しぶりの集給(集団給食)は鮭のムニエル!
今日は私が楽しみにしている集給(集団給食実習)の日。「大量のお料理」を、「同じ高品質」で、「限られた時間内」に作る実習で、すべての職員が検食します。 今日の調理担当は食物科2年生。 2年生になって4月にスタートした集団給食実習も約5ヶ月たった今では素晴らしい仕上がりだと思います。 今日のメニューは「鮭のムニエル」「シメジとほうれん草のソテー」「鶏肉とナスの炒め物」「オクラとトマトとキュウリの酢の物」「かぶのつけもの」「メロン」。 お弁当でいただきました。
でっかい鮭の切り身を使ったムニエル。脂がたっぷりのった鮭からすると「ノルウェーサーモン?(間違ってたらごめんなさい)」ムニエルになった皮から判別するのは厳しい!
ナスの炒め物は豆板醤もきいていて最高。オクラネバネバ酢の物ワカメ入りもいかにも健康になれそう。
検食ということで心を鬼にして注文をつけるとしたら、鮭の脂がすごかったので、もう少し振り塩を増やしてくれるといいかも(またはしょうゆかな)。塩分控えろってお医者様にいつも言われているのですが・・・
とにかく、おいしゅうございました。次の集給も楽しみです。 ごちそうさま、2年生の成長に期待!!
春巻きと中華風茶碗蒸し
食品製造実習室から調理室に回ってみると、こちらは食物科3年生の実習中。今日は「春巻き」と「中華風茶碗蒸し」を作りました。
まずは、できあがりをお見せしましょう。茶碗蒸しはたくさん作ったので、生徒はひとりで2つ食べました。
難しかったところを聞いてみると、「柔らかすぎず、堅すぎず、泡がプツプツ出ないようにするのが難しかったです」「でも、うまくできました」うむうむ、ぷるんぷるんでおいしそうでした。
春巻き用タケノコの千切りをしている生徒の奥では茶碗蒸しの準備が進んでいます。
こちらは、春巻き用豚肉カット。
茶碗蒸しは、しっかりホイルでフタをして「蒸し器」で蒸すか「お鍋」で蒸すか、生徒が選択して調理です。
春巻きの包み方。なかなか簡単にはいきません。こうしてだんだん覚えていきます。
油の温度良好! こんがりきつね色になるまで目を離しません。 見た目と音と箸に伝わる振動が決め手でしたね。
(私)「茶碗蒸しに入れるカイワレたくさん準備しましたね」「さっき、隣の班に教えてもらいました」 (生徒)「校長先生、カイワレじゃありません。これは付け合わせサラダの豆苗です」 大根の苗と豆の苗、区別がつかなかった私でした。
(私)「これは何を作っているんですか?」 (生徒)「キミズ」です。 (私)「えっ?」 (生徒)もう一回「キミズを作っているんです」 (私)・・・・
卵の黄身と酢、味噌、砂糖で付け合わせサラダ用のソースを作っていたのです。 しっかり教えていただきました。 キミズ、初めて聞いた言葉でした。
完成した「黄身酢」 ちょっと味見させていただくと、まろやかで酸っぱくて味噌味、おいしゅうございました。
茶碗蒸しは、この先、食物調理技術検定1級の検定品目となっているそうです。まだまだ、練習が続きます。
それにしても、今日もおいしそうな実習が展開していました。
ちょっとだけ教えちゃいます
午前中、食品製造実習室に行ってみると3年生の生徒たちが缶詰を作っているようですが、いつもと様子が違います。
缶詰コンテストに出す試作品を研究しているところでした。生徒の発表前にブログで全部出すわけにはいかないので、今日はちょっとだけ教えちゃいます。
「まだ薄い、もっとだ」 「エッ、もっと?」 みんなで調味しています。封入してから高温殺菌調理するので、缶詰を開けたときに殺菌前の味がそのまま出るとは限りません。食物科の調理と大きく違うところです。
主原料は白身魚のフレークです。 宮古でたくさん水揚げされるおなかのでっぷりとした白身魚とだけ教えましょう。
各種調味料で今までに無い味を目指しています。今回は高級缶詰を意識して作っています。
秘密の手作り調味オイル。これが今回の味の決め手! 味付けの後、オリーブオイルをフタの1センチ下まで満たします。
白身魚フレークのオリーブオイル漬け。単純な味ではありません。相当うんまいのです。
真空巻き締め機に投入。
今日の試作品は3缶
レトルト殺菌釜で仕上げ、この先、ラベルデザインも重要です。
さあ、どんな缶詰に仕上がっていくのか。研究班に乞うご期待!!!