カテゴリ:海洋生産科実習

今日のりあす丸

ハワイ沖遠洋航海に向けてりあす丸は着々と準備中。

どっしりと岸壁に横付けしているりあす丸。いつ見てもカッコイイです。この船で50日と少し、遠洋航海に出かけます。

遙か彼方の太平洋で、でっかいマグロやオキゴンドウ鯨やヨシキリザメにアカマンボウ・・・陸の生活では絶対に目にしない生きた魚たちに出会えるのは水産高校の特権です。

作業の様子を見に行くつもりが、行ったときにはちょうど片付けも終わって休憩中。談笑中の乗組員の皆さんに聞いてみると、今日は釣り元準備(マグロ針とテグスの連結)をしていたそうです。そしてこの後は甲板部機関部に分かれて航海前の整備と準備。

色つきテグスにスコップ。操業中の必需品。

海洋観測用のワイヤーは昨日交換したところ。ピッカピカの新品を2000m巻いています。

生徒たちは、洋上でSTD(Salinity Tenperature Depth)という観測機械を使って1000mまで深さごとの塩分・水温を観測します。

ハワイ沖の洋上では、気温27℃、表面水温28℃などと暖かくても、メバチマグロたちが好んで泳いでいる水深100m~200m付近では水温10℃ちょっと。 様々な洋上ポイントで科学データを蓄積していきます。

昔の船頭様はすべてのデータを頭にインプットして大漁する。これからの漁業者は電子データ(ビッグデータ)を駆使して魚を獲る。科学的漁業(スマート漁業)の時代です。

温暖化とか異常気象とかこれまでの常識が通用しない今の時代、その都度変化に対応しながら魚を計画的に獲る技術を生徒たちは身につけます。

海洋生産科2年生と専攻科1年生、出航は9月13日(火)の予定です。

 

ちょっとだけ教えちゃいます

午前中、食品製造実習室に行ってみると3年生の生徒たちが缶詰を作っているようですが、いつもと様子が違います。

缶詰コンテストに出す試作品を研究しているところでした。生徒の発表前にブログで全部出すわけにはいかないので、今日はちょっとだけ教えちゃいます。

「まだ薄い、もっとだ」 「エッ、もっと?」 みんなで調味しています。封入してから高温殺菌調理するので、缶詰を開けたときに殺菌前の味がそのまま出るとは限りません。食物科の調理と大きく違うところです。

主原料は白身魚のフレークです。 宮古でたくさん水揚げされるおなかのでっぷりとした白身魚とだけ教えましょう。

各種調味料で今までに無い味を目指しています。今回は高級缶詰を意識して作っています。

秘密の手作り調味オイル。これが今回の味の決め手! 味付けの後、オリーブオイルをフタの1センチ下まで満たします。

白身魚フレークのオリーブオイル漬け。単純な味ではありません。相当うんまいのです。

真空巻き締め機に投入。

今日の試作品は3缶

レトルト殺菌釜で仕上げ、この先、ラベルデザインも重要です。

さあ、どんな缶詰に仕上がっていくのか。研究班に乞うご期待!!!

 

 

 

今度のサバはいいの使ってますよ!

「今度のサバはいいの使ってますよ」と食品製造担当の先生から聞きつけ、早速実習場に見に行きました。

調理台に乗っているのは正に丸々と太ったあぶらののったでかいサバ! これを缶詰に・・・・

普通は、焼き魚や煮物にして直接食卓に上るような立派なサバ。通常の缶詰向きのやせたサバとはものが違います。

脂で手をギルギルにしながら頭を落として内臓を抜く生徒たち。

「大変そうですね」と聞いてみたら「全然平気です!」と返ってきました。立派立派。

鮮魚カッター(自動輪切りマシン)で均一長さのブロックにしたら次は缶に詰めます。

太ったサバがキュウキュウに入ります。

 

秘伝の水煮用調味ダレ。 レシピどおりで調合しています。 これが水高味の缶詰を生み出します。

肉がひたひたにつかるくらいで、フタを閉めたとき少し空間が出来るように。

完成後の打検(打検棒で缶詰をたたいて音と手に伝わる感触で製品の真空度を検査します)のときに空間がないと正しい検査が出来ないからだそうです。

真空だと腐敗菌が繁殖しませんが、小さな穴や隙間から空気が缶の中に入ってしまうと腐ってしまいます。

(個人的には、10年以上流しの下にほったらかしにしていた缶詰が錆びて隙間が出来たらしく、細菌によるガス膨張で夏の暑い日に破裂してしまった経験があります。飛び散った腐敗汁は壮絶な匂いをまき散らしてしまい、涙しながら片付けました。ちなみに、賞味期限は3年としていますが、保管状態が良く、真空状態が保たれていれば10年たっても腐りません。)

調味液を入れたら、真空巻き締め機に投入。自動でフタが乗っかり、真空状態にして缶の縁をがっちり捲き閉めます。

巻き締め機から出てきた缶詰は、コロコロ転がって自動洗缶機へ。広さの関係で直線ラインで機械をおけない本校では、折り返し点に担当生徒が入って、手動で洗缶機に投入。

洗缶機を出てきたら次は高温高圧殺菌。

この機械で約90分間の殺菌です。

今年度の製品を校長室に届けてくれました。

こんな感じで商品になります。

利潤追求でないからこそできる低価格でおいしい缶詰。

卵かけご飯とサバの味噌煮缶 独身時代も今も大大大好きです!

 

人気の小型船舶教習

先ほど宮古湾ヨットハーバーに行ってみると海洋生産科3年生が小型船舶教習をしていました。今日は2艇ある教習艇のうち1艇は防波堤の向こう側の広いところで「蛇行練習」、もう1艇はハーバーの桟橋を使って離着岸練習でした。

本校では、大型船を操船するための「海技士免許」の取得とともに、小型船を操縦するための「小型船舶操縦士免許」を取得できます。将来、国際航海に出たい生徒や大型貨物船に乗りたい生徒は「海技士」を、沿岸でのサッパ船や定置網船で働きたい生徒は「小型船舶操縦士」が必要になります。

やっていて楽しい操船練習は生徒に大人気の実習です。

1度に教習できる生徒は3人まで。生徒は交代しながらハンドルを握ります。

「離岸します」「前よし、後ろよし、右よし、左よし」 「後ろよし、前よし」

自動車の教習所と同じで動作とともに声出しが必須です。

ここまで来れば一安心。予定の位置まで後進を続けます。

離岸が完了したら、すぐに着岸の練習です。「着岸点良し」「発進します。前良し、後ろ良し、右良し、左良し!」

「着岸準備願います」

フック(カギ付き棒)で船体を引き寄せるのはアシスタントの生徒。

教官から「では、クリート留めしてください」と指示が出ると テキパキと岸壁のクリート(係留金具)に舫いロープを結びつけました。手早い作業に感心、感心。

「自分は、子どもの頃から親の船の手伝いをしていたのでだいたい慣れてます」

いやいや、だいたいと言うより、たいしたもんです。自信を持ってください!

梅雨空の下での離着岸実習でした。

 

宮古港カッターレース大会まであと少し

今日の海洋生産科1年生の水産海洋基礎実習は「カッター(12人こぎボート)」です。宮古の夏の風物詩「宮古港カッターレース大会」は7月17日(日)開催。本番まであと1週間と少し。生徒たちの練習にも熱がこもっていました。

低い雲なのかヤマセ(海上からの移流霧)なのか、天気は重いが気分は晴れやか1年生。

「どう。カッターは面白い?」  「はいっ、楽しいです。」「オレたち、早くなったんですよ!」うれしそうに話す1年生でした。

沖出し前のウォームアップ。「いちっにっさんっ」「いちっにっさんっ」号令係のかけ声も様になっていました。

桟橋を離れると、すぐに防波堤の裏に入って見えなくなってしまいました。今日は、ターン(折り返し)の練習をしたそうです。

さあ、本番ではどんなレースを見せてくれるのか。楽しみです。